blue note no.10 / Sugito Tatsuki
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あなたは美しい。
あなたの容姿は素晴らしい。
あなたの優美なさまに酔う。
あなたの身体はレバノン杉のようだ。
あなたの肌は霧の向こうの朝陽のようだ。
あなたの脚はまっすぐにのびた若草の茎のようだ。
あなたの踝は軽やかな春風のようだ。
あなたの脹脛は穏やかな泉の水面のようだ。
あなたの膝は滑らかな蝋細工のようだ。
あなたの腿は艶やかな果皮のようだ。
あなたの腹は溢れる精油のようだ。
あなたの胸は小鳥のさえずりのようだ。
あなたの肩は上等の絹織物のようだ。
あなたの背はサンゴのようだ。
あなたの腕は風に揺れる木々のようだ。
あなたの手のひらは花弁のようだ。
あなたの指は朝露のようだ。
あなたの爪は小川のせせらぎのようだ。
あなたの首すじは若枝のようだ。
あなたの唇は蜜のようだ。
あなたの舌は甘露のようだ。
あなたの頬は乳香のようだ。
あなたの睫は草原のようだ。
あなたの目はハトの目のようだ。
あなたの瞳はハトの血のようだ。
あなたの髪は山肌を覆う羊の群れのようだ。
あなたの声は海の底のようだ。
あなたの仕草は大地のようだ。
あなたの意志は月のようだ。
いかなるものも、あなたには敵わない。
いかなる言葉も、あなたを表現し得ない。
「あなたはオパレッセントガラスのようだ」
「あなたはユリの花のようだ」
醜く使い古され貶められ陵辱されきった言葉たちを用いるごとに
あなたは拘束され、あなたからかけ離れた低俗なるものへと卑しめられる。
あなたを表す言葉はただ一つしかない。
この上なく清純な真理をもって、あなたに捧げる。
[ あなたは、ソルジャー・ブルーのように、美しい。 ]
2007.06.22