Species-フラグメンツ- / Sugito Tatsuki
語られぬ話、
封じられた記憶、
記録されなかった言葉、
表層に浮かんでは深遠へ融ける、
その螺旋に刻み込まれた歴史だけが証で、
拾い集めた断片が形成して
枝葉を伸ばすフラクタルの、
これはささやかな末端だ。
fragment-12
※暴力・虐待描写および性的な表現を含みます。ご注意ください。
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薄闇
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ラボラトリの一室、実験機器は既に電力を供給されておらず、静寂の中、完全に機能を停止している。それにもかかわらず、執拗なまでの拘束具には被験体が繋がれ続けていた。専ら、これより始まる、それまでと目的を異にする行為のために。
ラボラトリ構成員たる白衣の男たちが、幼い身体を拘束し、気紛れに弄んでいる。手慰みに灯された煙草の火が、白い肌の上に灰を落として赤い痕を残しつつ、戯れに彷徨った後、無造作に、さらされた細い首筋の柔らかなる耳朶の下辺りに押し当てられる。皮膚の灼けつく苦痛に、可憐な唇は悲鳴の形に開き、よじる身体はその度に拘束具に打ちつけ、金属のぶつかり合う硬質の音が、
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――赤色光――
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粗雑な衣服はかろうじて腕と脚にひっかかっているだけで、白い胸も腹もあらわにして最早その意味を為さない。背面から男の膝の上に抱え上げられると、折れそうに細い足首が掴まれ、抵抗も空しく両脚を開かされる。周囲の見物人に見せつけるかのように、屈辱的な体勢でさらされた無防備な箇所に、醜悪な意図に塗れた男の指が遣られる。弄ぶように、指先が入口を擦ってなぞれば、すっかり性感を覚え込まされた身体はそれだけで浅ましく反応を返す。弱い点を過ぎる度に脚がびくりと跳ね上がるのを止める術はない。ただ恥辱に唇を噛み締め、声を押し殺す。
焦らし続けてやがて飽きを覚えたか、なんの前触れなく、指は柔らかなる内部へとねじり込まれた。か細い身体が強張り、小さな苦鳴が上がる。指は収斂して纏わりつく肉を強引に押し割って力ずくで奥へと侵入を図ったが、スムーズに意図を達せられないとみて、方針を変えた。
片手は指を内部に残したまま、もう片手で、仰け反って不規則に呼吸を乱す幼い身体の骨の浮く脇腹から薄い胸をなぞり上げる。男の硬い手のひらの感触に、小さな背が震える。肌を撫でまわす指に、既に赤く充血し、色素の存在しない皮膚との対比も生々しい胸の尖りを摘まれ擦り上げられると、思わぬ強烈な刺激に幼い身体は翻弄され、哀れにも仰け反らせた背を今度は縮めて過剰な反応を返す。意識が分散して肉が僅かに抵抗を緩めた隙を逃さずに、男は指を一気に奥まで突き入れた。身を貫く感覚に、抑えきれなかった悲鳴がこぼれる。
一方で胸の実が摘み、擦られ、爪でかりかりと刺激されて硬くなったところを押し潰される。
一方で内部をうごめく指は着実に侵略を進め、内壁を擦り上げては指先を曲げて執拗に性感を探り起こす。
絶え間なく襲う感覚の波に呑まれ、最早声を堪えることも叶わず、息を継ぐのに精一杯の愛らしい唇からは、意味を為さない上ずった喘ぎがこぼれ続ける。内部を指先で探られる度に面白いように反射的に跳ね上がっていた幼い脚は、暴力的な感覚にことごとく反応の生起を強制されて限界に近いのか、びくびくと小刻みの痙攣が已まない。始めのうちこそ抵抗を試みていた四肢は力なく投げ出され、男にもたれてただ刺激を受容するのみで、拒絶の言葉も忘れてしまったように、弱弱しく息喘ぎながら髪を乱して首を振る。
未熟な幼い身体は襲い来る烈しい感覚を制御する術を知らず、受け流すことも出来ずに、意識は加速的に侵食されていった。増やされた指が内部をうごめく毎に、無意識に自ら欲する箇所へ導こうと、腰を揺らして擦りつける。
わけも分からぬままに悦楽を教え込まされ、情欲に支配されきった恍惚の表情は、その幼く穢れなき純潔の美しさを思わせる愛らしい姿かたちとはまるで不釣り合いで、事の異様性を際立たせた。濡れた瞳はその奥を流れる鮮やかなる血液の色を一層に強烈に映し、焦点が合わずに震える様子は快楽の虜に堕ちたように虚ろで、わななく唇は忙しく息を継ぎながら、刺激に合わせてあからさまに淫猥な声を上げ、滑らかな白い頬は情欲に紅潮し、汗に濡れて髪をはりつかせる。その様は背徳の感を抱かせ、一層の嗜虐心をそそる、あまりに煽情的な姿であった。
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男が耳元で何事かを囁く。残された理性で感じ取る恥辱に可憐な唇が噛み締められるも、躊躇いは僅かの内にかき消され、ふと熱を帯びた吐息をこぼす。ゆっくりと、震えながら形をとる、その唇は、ぎこちなく、メ、ロ、ディアと音節を綴った。
情欲の滲む小さな声を確かに聞き取った男が嘲弄の笑みを浮かべる。
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いよいよ情欲をかきたてられた男が、己の昂りを押しつけると、悦楽に支配され陶然としていた瞳が我に返ったように瞠られる。経験上、この後を知っているがゆえの予期不安だった。反射的に逃れようとするも、細い腰は強く掴んで捉えられて目的は達せられない。もがく抵抗に構わず、男は、幼い身体に無理やりに己を突き入れて揺さぶった。壊れても構わないというような力任せの行為に、乱雑に扱われた身体が軋んで悲痛な声が上がる。か細い身体はその激しい衝動を受け容れるには耐えられず脆く、突き上げられる度に耳を覆いたくなる悲鳴が上がって、前後に揺さぶられる毎に折れそうに細い首は反動のままに頭部を揺らす。壊れて外れてしまいそうなまでに、激しく、繰り返し、繰り返し、繰り返し、
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